2018年5月 日本橋三越本店 『 池坊展 』


東京最大の花展 「 いけばなの根源 池坊展 」
日本橋三越本店 7階 5月16日(水)~21日(月)
特設ブース 「 経済界の華道人 」コーナーにいけばなluxeのメンバー7名が登場!

IKEBANA Art Shiretoko

2017年5月 三越日本橋本店「 池坊展 」 経済界の華道人コーナーに  メンバー五名が出瓶しました

株式会社インスパイア 代表取締役社長 高槻亮輔さん

今年は六角堂創建より1430年、藤原道長の日記『御堂関白記』にその名が記述されてから1000年、そして池坊の僧侶が花をいけた記録から555年の節目となる年であり、昨年秋の旧七夕花展に続いて東京花展にも設けられた「経済界の華道人たち」というコーナーに出瓶する機会を頂きました。
花形を決める際に森先生から頂いた助言は花席の配置を考慮することでした。会場入口からは、池坊らしさが際立つ立花正風体と生花正風体の花席が続き、最初の角を左に曲った場所に3席だけ設けられた場所であり、続く花席は映画『花戦さ』との連動企画展示です。したがって、「池坊らしさを保持しつつもモダンな自由花にするのがよいでしょう」という助言だったのです。当初は知人に貸して頂いた年季物の竹器に生花正風体で季節感のある花材をいけようと考えていたのですが、ここは素直に助言に従うことにして、ステンレスの花器を選択しました。花展まで2回ほど習作をする機会があって花材と全体構成も絞り込まれていき、最終的には「鉄線」を用いることに決まりました。


東京花展の会場は三越本店で、その向かいにはスルガ銀行の東京支店があります。同行は岡野家が創業家ですが、御縁でお付き合いがあり、昨年急逝した前副社長の岡野喜之助さんには生前様々なご指導を頂戴しておりました。静岡県長泉町の本部のそばには「クレマチスの丘」という文化複合施設があり、喜之助さんはクレマチスガーデンを散策されることをこよなく愛しておられました。そのような経緯があり、自由花のテーマは「哀悼の意を表す」だったのです。紫と白の鉄線を中心にフトイとシマフトイで梅雨の雨だれ、このようなタイミングでお別れしなければならなかった悲しみを重ねました。そして、ひとつだけ鉄線のつぼみをいけて、喜之助さんのビジョンと未来への想いを表現しました。
徹花をして何もなくなった花席を見たときに、あの柔和で人懐っこい喜之助さんの笑顔が想い浮かびました。出瓶した2日間も連日超満員の来場があり、たくさんの方々に見て頂くことができたのではないかと思うのですが、そのことを含めて、喜之助さんには喜んで頂けたのだなととても嬉しく思いました。花の力を感じた素晴らしい一時でした。

株式会社ユーグレナCFO リアルテックファンド代表 永田 暁彦さん

<<エグゼクティブのいけばなspecialインタビューより >>

森:今回関東ブロックで行われる一年に一度の池坊展の「経済界の華道人」コーナーに出瓶されましたが、いかがでしたか。

永田:教室の皆さんや家族など、ある種の同族の中における評価ではなく、一般的な視点に自分の作品を晒すということは、勇気のいることですし、励みにもなることでした。 ましてや、自社の社名を出して出瓶することは企業の評判にも影響することですので。
しかし、だからこそあまり周りを気にしたり遠慮せずに自分の好きなことをやろうと臨みました。

森:昨年の旧七夕会に続き、二度目となりますが、一度目と違うところはあったでしょうか。

永田: 何よりも嬉しかったのは、ある方が私の顔を見て「あなた京都の旧七夕会でも出してたわよね?」と声を掛けられたことです。半年前の京都での出瓶を覚えていただいている、これには改めて継続性の大切さを感じました。今回はあの背の高い人いないわね、と思われるように継続できるよう努力したいと思っています。

以上は、現在  interviewページに掲載の「エグゼクティブのいけばなspecialインタビュー  永田暁彦さん編  」より抜粋しています。ぜひ、本編もご一読ください。

ブラックロック・ジャパン株式会社 藤井崇之さん

「今度の花展、“経済界の華道人たち”というコーナーがあるのですが、藤井さんもいかがですか?」 

森由華先生のこのお誘いから初めての経験(東京花展への出瓶)が始まりました。華道を始めて7年目、脳のリフレッシュのために始めた華道ですが、そのお稽古が少しでも評価されたのだという嬉しさと、仕事面でも成長したのかなという思いを感じながらのスタートとなりました。

花器は黒と白のコントラストが綺麗なガラス製花器を選択しました。ほぼ一目惚れでした。その後、お稽古でグロリオサ、ゴールデンステック、クロトン、紫陽花、ブラックリーフ、なでしこ、マリンブルー等、様々な草花を生け練習を重ねました。最終的に、出瓶の日(5月28日)がグロリオサの日ということ、英語でGlory Lily(栄光、名誉、賞賛のユリ)と呼ばれ縁起が良いこと、花器と合うということから、グロリオサをメインにすることに決定しました。最後まで、悩んだのが、練習時に時期が早く手に入らなかったスモークツリーです。前夜生ける際に、直感を信じて使うことに決定しました。(練習は重要ですが、最後は自分の直感を信じるあたりはビジネスと似ていると思います)

さて、テーマですが、春から夏に移行する水辺をイメージして生けました。スモークツリーは朝靄(あさもや)、その上に紫陽花が咲き、グロリオサが夏に近づくに連れ感じる暑さを表します。水辺(花器)が黒、朝靄の白(スモークツリー)、そこから覗く爽やかな青(紫陽花)、そして夏に向かうグロリオサの赤を感じて頂けたら嬉しい限りです。

大きな会場での始めての出瓶となりましたが、不思議と緊張はありませんでした。仕事でお客様のために日々考えを巡らせ実践することと、”いけばな”の練習を重ね花展で実践することが似ていたのかもしれません。“いけばな”はビジネスと同様、決断の連続です。この緊張感を楽しみながら、引き続き精進していきたいと思います。

株式会社インスパイア監査役 東京大学元監事 石黒光さん

今回の花展においては、久方振りに自分として何か新しいものを人前で発表する機会となり、とても新鮮な気分を味わうことができました。かなり詳細な手順をご案内いただいたので何が起きるか大体予想できていたつもりでしたが、実際に経験してみると新たな発見が多く、何事もやってみなければわからないと再認識するとともに、華道のほかにも何か新しいものに挑戦してみればまだまだ得るべきものが多いはずだと思いました。 出展することで普段の稽古の何倍も得るものがあるというのは生け込みの際の工夫もさることながら、花材・花器選びと構成・構想に真剣に取り組むことで想像・創造力が高められることかと感じられました。自分ではいい年をして大して緊張するわけでもなく、意思決定は早いと考えていましたが、悩んだり迷ったりしているようだと指摘されるとあらゆる意味で修養不足と考え直しました。何とかそれなりのものに仕上がったのは、一重に先生・アシスタントの方のご指導・サポートによるものです。

望外の収穫は、家元と三回、次期家元とは四回言葉を交わすことができたことです。二ヶ月前にはそういうことは今後ともないのではないかと考えていましたので。

家元のお言葉で印象に残ったのは「花材選びが最も難しい、最近はカタカナ(外来)のものも沢山あるので」「どうやって構想したのか」「レッドジンジャーの色がよい」「やってみて難しかった点は」「花材と花器とどちらが先に決まったのか」などになります。次期家元は腰をかがめてプロフィールをご覧になり、華道から得られるものについてなどよいことが書いてあるなどとコメントされました。末端に対してもその個人と作品のあり方に興味があることを示し、欠点よりも何かよいところを見つけて指摘することで励みを与えるということであり、指導される側の心理を非常によく弁えておられることを感じました。
最後にもう一つ今回の出展を通じて得られたのは、他に出展されている多くの作品の見方・解釈が格段に深まったと感じられることとなります。

フェイシャルセラピスト リハビリメークの提唱者 かづきれいこさん

 このたびは、森先生のお陰で参加させていただく機会を頂戴し、有り難うございました。

また弊社店舗が日本橋三越店の3階にあるという御縁から、3階エリアのエスカレーター前や店舗にてもお花を生け、大好評の1週間でした。ご協力感謝いたします。

初めての参加でしたが、4万5千人以上の方が来場されたとのこと。
また池坊が歴史に刻まれて555周年記念に、映画「花戦さ」の公開など、今年はより一層華やかに、盛会となりましたこと本当におめでとうございます。

知人や生徒さんなど知り合いの方がたくさん足を運んでくださり、また新たな世界が広がりました。
お花はこれからに日本を支える重要なものとなっていくでしょう。

今後は「一家に一輪」の花を広める運動をしたいと思っております。またこれから益々、華道を邁進して参ります。頑張らせていただく所存でございますので、よろしくご指導ご鞭撻ください。